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本を買う [2016]

かわいい夫.jpg

久しぶりに本を買った。

いや、本当はそんなに久しぶりじゃない。
久しぶりなのは、今まで買ったことのない作家の本を買うことだ。
山崎ナオコーラさんは、2004年に『人のセックスを笑うな』で
文藝賞を受賞してデビューした。
この本は当時ぱらぱらと見て、好みじゃないな、と思って読んでいないのだが、
「山崎ナオコーラ」というネーミングセンスにひかれ、
新聞に連載されていた「指先からソーダ」というエッセイは
とても気に入って読んでいたので、(コーラがソーダ、いいじゃない?)
なんとなく気にしていた作家ではあった。

先日書店に行って、自分が関わった本がちゃんと売られているかな~と思って、
エンド台(棚の端についている平台)に積んであるのをよしよしと確認した時、
ふとこの本が積んであるのが目に入った。
ただし手に取ることはしなかった。

次の日、なぜかまた同じ書店に行って、この本を手に取って、
中を見てみた。
予想どおりエッセイで、やはりな、と思う。
おもしろそうだ。
しかしこの本、読み返すかな?と考える。

私が本やマンガを買う時の基準は、「何度も読む本か」ということだ。
時間にもお金にも収納場所にも限りがあるがゆえ、
1度しか読まないような本は買わない。
そもそも結婚した時、本を多少は処分したものの、まだ整理しきれていない。
本を増やすべきタイミングではないのだ。

でも、と思う。
この本は読みたい。
図書館で借りて~なんて思っていたら、きっと忘れてしまう。
文庫になってから~なんて思っていたら、きっと忘れてしまう。
それに。
出版界に身を置くものとして、いい本だと思ったら買って応援すべきなのだ。
そうだそうだ。

そのような検討ののち、買った。

一篇が2ページくらいの短さで書いてあるのだが、
(この短さは新聞に連載されたコラムだからなのだろう)
ひとつひとつがおもしろく、真剣に読まされてしまった。


 妻も、外で夫の人柄や優しさをもっと褒めると良いと思う。
 妻は夫に関する愚痴を言っても許される、むしろ妻が夫への不満を周囲に漏らすと場が盛り上がる、という風潮があるが、どうかと思う。夫が妻のことを悪く言うと「ひどい」と周りの人から眉をひそめられるのに、妻の方だけ許されるのは変だ。
 あと、私が、「自分が大黒柱だ」だとか、「夫をかわいいと思う」だとかと言うと、「夫を尊敬していない」と批判されることがたまにあるのだが、それもどうかと思う。男性がよく言う科白を女性が言うと許されないのか。私は夫を尊敬している。仕事に真面目に取り組み、誰とでもきちんと向かい合う、優しい夫を素晴らしいと思っている。だが、非難をする人は、「夫のことを自分より知的だと思うべきだ」「夫より稼ぎがあっても、夫の稼ぎを立てるべきだ」といった考えを持っているようだ。
(略)妻が弱者に甘んじて、陰で夫の愚痴を言ったり、表で夫を立てたりする時代は終わりにしたい。「恐妻家」という言葉で笑いが取れる風潮もそろそろ消えていくだろう。夫を恐がる妻が痛々しいのと同じように、妻を恐れる夫はかわいそうだ。
 私は「愛夫家」だ。夫を、これからもかわいがる。
                   (『かわいい夫』所収「愛夫家」より)


指先からソーダ.jpg

そして続けて、初期のエッセイ集『指先からソーダ』を買い、また読み始めた。


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コメント 12

ゴーパ1号

ぬぅ…。
(絶賛調教中だからなぁ…)
by ゴーパ1号 (2016-06-09 17:27) 

キタノオドリコ

この著者、数年前私が読んでいる新聞に連載していたので眺めてました。
本は出入りが激しいから、気になったときに買わないとうやむやになっちゃうんだよなぁ。とはいえ、いまだに「文庫になってから…」と書棚にもどす私です。大人は大人買いすべし、かな。
by キタノオドリコ (2016-06-10 06:07) 

pochikun

我が家は飴と鞭を使い分けて教育中。笑
by pochikun (2016-06-10 07:05) 

はてみ

>ゴーパ1号さん
ゴーパさんちでは夫をかわいがるより前に調教(!)が必要ってことなのかな…?

>キタノオドリコさん
『かわいい夫』では、自分の本があまり売れない、ということについても書いてありました。でもこの作家さんががんばっている感じが伝わってきたし、応援の意味でも買ってよかったなあと思いました。でも本は文庫でも買ってもらえればありがたいし、買わなくても読んでもらえれば文化がすたれないですむんじゃないかな~。

>pochikunさん
調教中とか教育中という言葉がなぜ出てきたのか、よくわかっていない私です…(^_^;)
by はてみ (2016-06-10 12:52) 

京男

こんばんは。
本か・・・読字障害になってから、サピエ図書館ばかりになりました。昔、読んだ本を朗読で聴くのですが、どうも雰囲気が違う。
しかも三倍速だから情緒もなにもない。
こればかりは仕方ない。
by 京男 (2016-06-10 19:45) 

タックン

こんばんは。
私も新聞に掲載されていた時「山崎ナオコーラ」というネーミングが印象的でしたが、読んだことはありません。
こうして紹介されている文章を見るとなんかとても自由な感じがします。
私も最近本を買うことがほとんどありません。
買っても読む時間というか集中力がなくなって・・・
こんなはずではなかったのにとつくづく年齢を感じるこの頃です^^;
by タックン (2016-06-11 21:40) 

sasasa

確かに印象的なネーミングですね。
本、買いたいと思っても、
置く場所の問題とかもあるから、
ある程度絞って購入したいですね。
でも、その時じゃないというタイミングというかそういうのがありますね。

by sasasa (2016-06-12 22:10) 

ねこじたん

夫と妻
いろんな形があるのを聞いてますが
一緒に布団敷こ
一緒に食器並べよ

とか できるといいらしいです
by ねこじたん (2016-06-14 20:30) 

asahama

最近、仕事以外で読書してない…
読書習慣がなくなって本当に離れてしまっています。
たまに買っては積読じゃダメなんですよねー
分かっていても買っておいて積んである…

by asahama (2016-06-19 14:37) 

まこ

朝日新聞に連載されてましたよねぇ
気に入っていた作家さんなので
毎週楽しみにしてました。
上野千鶴子さんや岡田 斗司夫さんの文を
読んだ後に目にすると、
尖っていた気持ちが和らいだものです。
(このお二人を批判してるんじゃないですよ。
むしろ大好きなんです)

本はぐしゃぐしゃにして
読んじゃうんで文庫本オンリーです(;^□^A

by まこ (2016-06-21 13:49) 

albireo

最初の本の表紙の絵は、みつはしちかこさんのチッチとサリーですね。懐かしい漫画です。
本は、その時買わないと無くなってしまうものも多いので、30代から40代の頃には、興味を感じたものは躊躇なく買っていました。今は多くても月に10冊以下ですが、昔買った本で未読のものを、色々と引っ張り出して来て読んでいます。
by albireo (2016-07-01 23:09) 

はてみ

>京男さん
声優などが本を朗読するオーディオブックなるものが
有料で売られていて、読まずに聴いて楽しむ人もいるようですが、
文字を追って読むのとは違う体験になるのでしょうね。

>タックンさん
仕事を辞めたら好きな本をたくさん読もう、
なんて考えていても、予定通りにいかなそうな気がしてきました。
でも無理に読んで楽しくないなら意味がないし。
読めるときに読める本を読む、そういうことでしょうかね。

>sasasaさん
本を買うタイミングってありますね。
最近はそんなタイミングになっているみたいです。
『重版出来』や『とと姉ちゃん』のドラマの影響もあるのかも。

>ねこじたんさん
独りが長いと、一緒にやるのも案外難しいもんです。
やる気はあるんだけどね~、
ぴったり息が合う、という域はまだまだみたい。

>asahamaさん
積読も悪くはないんじゃないですか。
いつか読む時がきますよ、たぶん。

>まこさん
朝日新聞の連載からはけっこう時間が経っているので、
『指先からソーダ』から『かわいい夫』のあいだに、
著者の考えもいろいろ変化したことがわかります。
身の回りの状況もずいぶん変わったみたいだし、
そんなことが読み取れるのもおもしろいです。

>albireoさん
本はその時買わないと無くなってしまう、
まさにその現場を日々目の当たりにしています。
売れない本はどんどん断裁、絶版されてしまいますから…。
あとで、ああ買っておけばよかった、っていう後悔は
あんまりしたくないですね。
by はてみ (2016-07-02 22:30) 

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